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「…さすけ?」 気を悪くさせたかと、謙信が心配そうに佐助の険しい顔を見る。 「あ、いやぁ…ははっ、気にしないでくれる」 すぐにいつも見せている気楽そうな表情を作って、何でもなさそうに振る舞う。 (俺様が熱に浮かされるなんて、どうかしてるっ……とにかく落ち着け…) そして、べったりと濡れたふたつの指を軽くしゃぶって見せてから、もう一度 同じ所に差し込む。 「…は…あっ」 ゆっくりと奥まで進入していき、膣肉の収縮に伴う強烈な圧力に負けぬように 指を浅く、時折深く往復させる。 「うん…っ、ん…っ」 そうした動きを繰り返すうちに、謙信には膣の奥から、佐助には指の先から根元に かけてじんじんと気持ちのいい痺れがやってきて、中の強すぎる締め付けがいくらか 緩んでくる。そして、謙信が腰を中心にして小さく体を波打たせるようになっていく。 「んっふふ、自分から腰動かすなんて…やーらし…」 「…あぁ…かってに…うごいて……いやですね……はぁぅっ…」 声が掠れてきているのに気づいた佐助は、謙信の乾いた唇をぐるりと舐めてから 口の中に舌を入れて潤してやる。 「ふ…ぅ…」 佐助の口は重ねるほどに熱さととろみを増していく。 (あ…あぁぁ…なんという…) それに加えて自分の体液を味わされるのだから、なんともいやらしい気分に させられる。今だけは何も考えず、この熱くて柔らかな感触を味わっていたい、 とさえ思ってしまう。 しかし、こう自分ばかりが良い思いをさせられると、何か返してやらねばという 気になる。施しを受けてその上にあぐらをかくことを好かぬ、謙信は元々 そういう性分である。 上下の口を塞がれたまま、片手で佐助の男根を手探りでさがしてきゅうと握り込む。 すると、 「んぅ…っ」 佐助はびっくりして口を離し、ちょっとだけ自身をとくりと反応させて身を強ばらせる。 (おや…ふふっ…) 案外かわいい顔をする、と思った。しかし佐助がすぐさま上から手を重ねてきて 「はーぁ、手癖の悪い姐(あね)さんだねぇ、全く」 やんわりと謙信の手を開かせて自身から外す。そしてその細い指先を一本ずつ 順番にしゃぶって見せる。 「これでもさ、必死に抑えてんだからね」 「…そう?」 「そ、あんまし触んないでくれる?」 (いささか…ですぎたか……) しかし、一瞬覗いた佐助の弱々しい表情が謙信の好奇心をくすぐる。 正直、もう少し弄ってみて反応を確かめてみたい、そうは思ったものの (…おまえのじゃまをしては、いけませんね…いまは…) 何も、あせって出しゃばることはない。自分にそう言い聞かせ 湧きあがる邪な心は、一旦胸の内にしまっておくことにした。 武田軍×上杉軍19
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佐助は書院に入り、信玄に対して乱暴に頭を下げた。 「そう怒るな。――幸村は、こうと決めたら誰の言うことなど聞かぬところが あることくらい、そちも知っていよう」 「そうですけどねぇ! なんで止めないんですか!? 旦那がどこに行くかなんて分かりきってるし、 しかもあんなの用意して! いっそ出家でもさせたらどうなんです!?」 顔を上げると同時に、矢継ぎ早に佐助はわめいた。信玄はおかしそうに笑うと、 扇で背をかく。鷹揚とした動作が、本気で腹立たしい。 今頃幸村は、愛馬を駆って奥州に急いでいるだろう。行く場所も、会う相手も分かっている。 先回りして止めようと思ったところに信玄の呼び出しが入り、佐助の計画は頓挫した。 「佐助。儂の妻は、京より参った。顔も知らぬ女子であった」 「……普通、そうでしょ。俺だって、里から言われたら、どんな相手とも結婚しますよ」 「戦に出て先陣を斬るような女が、普通か?」 「っ――」 佐助は奥歯をかみ締める。 真田家の女当主ともなれば、いくつもの縁談が舞い込むべきだろう。 だが、幸村は並み居る武田諸将の誰よりも武勇誉れ高い。若い男は幸村に対して引け目を感じるようになり、いつしか縁談など遠いものとなっていた。 「男を見つけ、己で選ぶ。幸村は、それくらいで丁度よかろう」 佐助は不機嫌だった。 なんであんな男なんだ。もっと、他にいるだろう。 傍にいて、幸村を大切にしてくれる人。 ――いる。そう、いるはずだ。 「……もっと、いるでしょ。旦那を大切にして、真田の家を盛り立ててくれる人が」 「そのような男に、幸村が御せるとは到底思えぬわ」 信玄はおかしそうに笑い、懐かしむように目を細めた。 「全身全霊をかけてぶつかれる相手が見つかった。よいことではないか。 ……それがたまたま、敵将であっただけよ」 これでよかったのだろう。戦に出て、干戈を交えるような相手を、幸村は選んだ。 それが、幸村の定めなのだろう。信玄といえども、どうすることもできない。 別れの時に、信玄は幸村の体を久方ぶりに抱きしめ、髪を撫でた。 しなやかな体。甘く香る髪。いつの間にか「女」になっていた。 娘を嫁に出すよりも辛いな、と幸村を撫でた手を見た。 信玄の知らない甘い匂いが残っていた。 炎の微笑17
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【名前】 蟹江城 【読み方】 かにえじょう 【主】 北条家→滝川・一益 【クラス】 不明 【登場巻】 6巻・上~ 【詳細】 P.A.Odaの滝川・一益が、小田原征伐の歴史再現のために印度諸国連合から譲られた航空艦。 第二次上田合戦の舞台として用意され、交渉の結果、滝川から筧ら真田十勇士の三名に運用を任された。 武蔵主砲を警戒し、小田原城を水攻めにするための人工湖に着水する予定。 人工湖湖畔に着陸し、滝川・一益の賤ヶ岳の戦い及び小牧・長久手の戦いの舞台となり、彼女の最後を見送った。
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「やーれやれ、やんなっちゃうね。年寄りってのぁ前置きが長いんだよ」 ヤレヤレ座りで首をコキリと鳴らしながら佐助がボヤく。と、そこに 「うぁっと!」 不意に黒い影が佐助の視界をさえぎった。 佐助の望遠鏡がトスンと落ちる 「やっぱり…ろくな事を考えない奴だな」 上杉の忍び、かすが。一旦は軍を率いて上杉本陣まで戻ったが、愛する主を気にしてか、 戻ってきたようだ。 佐助を一瞥すると、自分の胸元から佐助の物よりも一回り小さい望遠鏡を取り出す。 そして佐助の見ていた方角にレンズを向けるのであった。 「…あぁっ…謙信様ったら…あああぁ…」 目の前の光景に感情がこみ上がるが、自分を制するように 「こらえろ…こらえろ…」 と小さな声で繰り返す、その様子がなんとも滑稽である。 「あれれぇ、かすがも気になんの?忍び同士、気が合うねぇ」 佐助がはたき落とされた望遠鏡をよっこらしょと拾い上げながら、にやにやと かすがの方を横目で見やる 「お、おまえのくだらない趣味と一緒にするんじゃない!」 あくまで変態行為でないと言い張るかすが。 「へぇ、一緒じゃなくて何だってのさ」 「謙信様はあれでいて未通だからな、あの男…ケダモノのように乱暴を働いたら殺す!」 そりゃあ無理な注文ってやつじゃ、と言いかけたがのみ込んだ。 「へー、そりゃあ穏やかじゃないね…って、ちょっと!なんでかすががそんなこと 知ってんの」 「何度か謙信様の御身を清める役目を仰せつかったときにな、バレぬようにこっそり中を 確認したから確かだ」 「忍びの技をそんなことに使ってんのか。…それより上杉ってそんなことまで 部下にさせる訳?なんだか…」 「謙信様だって洗ってくださるのだぞ」 「そーなの?あっいや、そーいうことじゃなくてさ(すんげぇ仲だな…)」 なんとか話題をそらさなくてはどんな危険な話がでてくるかわからない(性的な意味で)。 「あー…それで?心配してんのね」 「そうだ、分かったら邪魔するんじゃない」 「そーいう訳にゃいかないね、大将が殺されるんなら俺が止めなきゃいけないでしょ」 こういう掛け合いを続けるのも佐助は好きだが。 「まっ、今は仲良く見物といこうぜ」 「違うといってるだろう!」 「そうカッカすんなって…ほらほらっ、見なよ」 自分の小筒を覗きこみ、 「謙信様のやーらしい顔、そそるねぇ」 と言ってかすがを促す 「そんな目で謙信様を……ほ、ほんとか!」 見逃すまいとして慌てて同じ方角を向くかすが。 「…ああぁ…本当…いやらしくて、美しい…謙信様ぁ…」 (やーれやれ、都合のいいこって。まっ、俺様も人のこと言えないんだけどね) 結局覗きの人数が一人増えてしまったが、忍びの者ならバレはしないだろう。 それに、こんな状況でもかすがとふたりきりになるのは悪くない気分だ。 信玄×謙信女8
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素直になれないのっ!の真田側後日談です。 ■犬もくわねど 「だぁって、やっぱ一人で何とかするとかムリですよ、ムリムリ。薬だって抜けきってないのに辛いでしょ。気合いでここまでやっちゃったのはやっぱ凄いけど無茶しないでよね。旦那、心配で死んじゃうよ。・・・あ、退却だよ。俺様それを言いに来たのに」 「Withdrawal!?せっかくここまで来たのに!」 悲鳴のような抗議が出るが 「旦那がさー、アンタが側にいないと気もそぞろで、どーしよーもないのよ。だから家臣一同で合議の上の結論が、退却。兵も大分失ったしね。ハイハイ行きますよ。じゃあ失礼しまーす」 駄々をこねるように南蛮語で喚き散らす政宗をぐいっと小脇に抱えて佐助は空へ舞い上がった。 初めはじたばたと暴れていたが、上空へあがりきると政宗が急に大人しくなった。 「あれ、どしたの、高いトコ駄目だった?」 「No.平気だ」 「じゃあ、どしたの」 元気のない政宗に佐助はまあ仕方ないかと首をすくめた。 昨日の深夜、抜け出す政宗を見張りの佐助が咎めたところ、彼女は出陣前の宴で浮かれた敵軍の将の首を掻いてくると囁いて疾風のように去っていった。 佐助も彼女の強さは重々承知しているがさすがに心配になって追ってみればしびれ薬のようなものをかけられ、敗走し、山中で倒れていた。 慌てて連れて帰ろうとすれば、政宗がちょうどこの山中が敵陣の懐に飛び込める場所であると言って動こうとしない。 名誉挽回するのだと迫られ、押し切られる形で薬を抑える応急処置をして佐助だけが自軍へ帰った次第である。 翌朝、妻の不在にうろたえる主に事情を話したら・・・ 気絶された。 「・・・あいつ、怒ってるか」 おずおずと尋ねられた”あいつ”とは当然夫、幸村である。 佐助はう~んと唸った。 「うんー、残念だけど怒ってるし・・・ついでに俺様も怒ってる」 気絶した後、文字通り烈火のごとく怒り、それが攻撃力に加算されれば良かったのだが妻が心配で身が入らず結局毛利の策にはまり撤退を余儀なくされてしまった。 「今日の撤退はぶっちゃけアンタのせいだよ」 じろっと抱えた竜を睨むと目を伏せて 「I see.分かってる・・・」 しゅんとされれば、元々性根の優しい佐助のこと、あまり強いことは言えない。 「もうあんまり一人で突っ走ったりしないでよ。旦那、卒倒しちゃったんだから」 「swoon?」 呟いて、政宗がクスクス笑い出した。 「ちょっと!笑い事じゃないっての!」 「sorry.なんか愛されてんなーって思って。嬉しくなった」 当てられた。もう不快を通り越して呆れてしまった佐助はため息をこぼした。 「アーハイハイ。そうね、そーね。だからもう旦那に心配させないでね」 「All right.」 軽く返されて本当にわかってんのか、と疑問が去来する。 夫婦共に手の掛かる連中だ。 犬もくわねど2
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風魔が伝説と呼ばれる理由… それは風魔という存在を目撃した敵を 例外なく抹殺したゆえであっった。 風魔は静かに、そして冷徹に、 佐助とかすがの抹殺を 敢行したのであった。 佐助、これはどういう事だ! 知るかよ!来るぜ、構えろ! 【最終章 風魔、全てを抹殺】天王山抹消戦 【抹殺開始ムービー】 そ、そんな…!?なんで…! ちっ…しゃあねえ…! この世に存在しない忍、考えてみりゃあ簡単な事だった 姿を見た敵は全部消すって事だ 来るぜ! あんたがその気ならそれでもいいさ… 返り討ちにあっても、文句は言うなよ こんな所で…やられるものかっ 【多重分身ムービー】 はっ!やっ!はっ! 分身の術、多重! 双忍術 多重分身 あんたにゃいい事を教えてやる 一つ…俺様は見かけほど甘くはない 早く帰りたいんだ…消えてくれない? 貴様が誰であろうと構うものか 伝説という呼び名で、私を殺せると思うな! 二つ…甘くないのは、この女も同じ これは北条の思惑か それともあんたの本質か なぜだ!なぜ私達と行動を共にしたんだ! 理由を聞くなんざ野暮なだけだ 殺す時は殺す、そういうもんさ 期待なんかするなよ…ここからはどん底だ こういう時だけは忍で良かったと思うよ あんたは…あんただけは、ここで消す 【雷塵ムービー】 ふっ!やっ!やっ! 禁術、雷塵しょうらん! 禁術 雷塵 三つ…! ……さいなら、あんたはここで死ぬ これで終わりだ、風の悪魔! 消し炭となって消え失せろ! かすが、今回ばかりは助けられねえ 自分の命は自分で守れ 大した口のききようだな…私を見くびるな 忍ってのは死ぬときゃ一人だ あんたもそうやって生きてきたんだろ ……………… なら分かってるな…かかる火の粉は振り払う あの世で好きなだけ恨むがいいさ 苛まれて消えなよ、あんたにはぴったりだ 【猿飛佐助抹殺完了】(佐助を先に倒した場合) ぐはっ…畜生……! あ…ああ…!……よくもっ! 【かすが抹殺完了】(かすがを先に倒した場合) そん、な…謙信、さま…… か、かすがーーッ! 【抹殺完了ムービー】 あく、ま………(倒れるかすが) くっ…かすが… (交錯する佐助と小太郎。一瞬後、佐助が崩れ落ちる) ぐ…はあ… (忍刀をしまう小太郎。手裏剣に火をつけ、大木に投げる) 【エンディング】 (森を駆け抜ける小太郎。燃える天王山を木の枝の上から見つめる) (佐助とかすがの鳥が天王山へ飛んでいく)
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信玄と謙信の仲を深めるという目的が第一だったので、それを遂げるまでは 協力的でいられた。だが主人達から身を離した瞬間から、忍び達の間には、どことなく 気まずい空気が漂いはじめ、とてもふたりを見守るどころではなかった。 互いに、自分の主を相手にのめり込み過ぎたのではないか、という軽い嫉妬心は 持っていた。だがそれは今のふたりにとっては些細なことであって、苛立ちの矛先は もっと別の問題に向けられていた。 かすがは、当初の目的を見失い、感情に身を任せてしまった佐助を責めるより、むしろ、 謙信が佐助を惑わせ、彼の熱い眼差しを独り占めしたように感じたことで、強い 嫉妬の念を抱いてしまった。そのことが自分でも信じられなくて、心の整理がつかない。 (ま、まさか私は…畏れ多くも、あの御方に嫉妬を…?そんなこと、あるはずが…っ) 自分が考えていた以上に佐助への想いが大きかったことに戸惑い、彼の顔を まともに見ることができない。 佐助の方は、そうやってかすがが沈黙を決め込むのは、自分の行いにうんざりし、 ほとほと愛想が尽きてしまったせいだと思い込む。 (あぁ、かすが…怒っててもいいから…何か言ってくれっ…そんな態度とられ続けてちゃ 耐えられないんだって、俺…) たやすく熱に浮かされ、彼女の愛する主人を辱めて自分の心を満たしてしまった。 その軽率さをひどく後悔する。 「お前が謙信様に欲情するなど百年早い」「だらしのない男め」などと悪態を つかれるか、苦無でも投げつけてくれたほうが、まだ気が楽だ。変に目を逸らして 黙りこくられると、弁解も詫びも入れる余地がないように思えて、かすがに対しての 後ろめたさと不安だけが募っていってしまう。 胸や尻をいたずらするように触ったり、肩を抱いてやったりしてごまかすことも できるだろうが、今の佐助にはそんな軽々しい振る舞いなどできないくらいに 胸の内が混乱している。 隣同士に座り、時々顔を見合わせるも、 「…なんだ、佐助?」 「なんだ、って何が?」 「理由もなく、じろじろ見ている奴があるかっ」 「あー、いやその…かすがの方こそ、こっち見てない…かなーっ、なんて思ってさ」 「べっ、別に…お前の方なんか、見てないからな…全然…」 「そう、そっか……な、何言ってんだろねー俺、ははっ…」 「…ふん、ひとりで笑ってろ」 (ああ、だめだっ…佐助の顔を見るだけで…緊張する……) (だああぁ…俺の馬鹿っ…他に言うことがあんだろーが!) 忍びの性なのか、表情だけは感情を読まれぬように平静を繕っているので ますます互いの本心が見えない。 どちらも意識しすぎてしまって、自分から触れることも話しかけることもできない。 その重たい空気に耐えきれなくなったときに、なんとなく目を逸らし、とりあえず 向かい側にいるふたりの主達の様子を見て気を紛らわすといった具合である。 忍びたちの心中は全く穏やかではない。そのせいで、謙信らが怪しい表情を 浮かべていることにも殆ど注意がいかない。 信玄と謙信は、密談を終えたところで絡めた体をとき、まずは佐助の元に近寄る。 忍び達は、主達が接近してきた時に初めてふたりの態度の変化に気づき、 「…あ、あれっ、もう終わっちゃったの、ふたりとも?」 何事が起ころうとしているのか察しようとする。だが既に遅い。 「まだ終いには早かろう」 「ふふ、おまえたち………かくごなさい…」 武田軍×上杉軍29
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「すまねぇ、遅くなった。大丈夫か?」 佐助は漸く妻と再会した。 遠征から帰ると家が蛻の殻になっていて、手掛りを元に荒っぽい方法で捜し出した。 力ずくだったが今はそんな事に構って居られない。 「平気」 少し痩せた妻は健気に答えた。 その目立って来た腹に佐助は手を当てて話し掛ける。 「おーい、父ちゃんだぞー。ただいま」 ポコン、と何かが妻の腹の中で跳ねた。 「ははっ、返事してら」 男か女か生まれるまで分からないがどちらでも良い。今から楽しみだ。 「じゃ、我が家へ帰りますか」 妻を抱え大鴉に掴まって空を飛びながら気がついた。 (そうだ、名前考えなきゃな) 親から一文字ずつ取ろうかと考えたがどうも上手くいかない。 妻の顔を見る。月下為君、軍神の懐刀――。 「あ」 「何?」 佐助はヘラっと笑う。 「いや、別に」 一緒になって欲しいと妻に差し出した、深い翠色を湛えた翡翠の玉簪。 (女なら翠も良いか) もう一つ忘れていた事を思い出した。 「なぁ、帰ったらそばがき作って」 「良いけど……」 妻が怪訝な顔をする。 正月の蕎麦切りならまだしも、そばがきを食べたがるのは珍しい。 「よーし、しっかり掴まってろよ!」 佐助は速度を上げた。 ――早く帰ろう。そばがき食べて、子どもの名前考えて、仕事もしなくちゃ。 ああ、それにしても疲れたな。帰ったらまず一眠りしよう―― 一番大事な光を大切に抱えて佐助は飛ぶ。 暁の中、その姿は朝日へ吸い込まれて行った。 うたかた追記
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すまん、何となく思いついただけなんだ。 ほんの出来心。 こんな三人娘に囲まれた食事というのもどうですか? 「は~い、今日の夕飯出来たよ」 前掛けを外した佐助が器用に両手でいくつものお膳を持ちながら入ってきた。 「今日はちょっと奮発しちゃった」 てへ、と軽く舌を出しながら笑う顔は中々可愛らしい。 これでいて夜はあの色艶だ、堪らない。 「貴様、これは何ぞ」 自分の目の前に置かれた膳に載せられた碗を指して、元就は佐助を睨み付けた。 「お隣の片倉さんから新鮮な野菜もらっちゃったんだ、うちは色々と食う人多いから助かるな」 それにしても片倉さん良い男だよね~、と暢気に言いつつ、佐助は脇から手を伸ばしかけた幸村の手を叩いた。 「おっと、アンタは共食いになっちゃうかな、オクラの味噌汁」 「そいつはどういう意味ぞ」 剣呑な雰囲気でがたりと立ち上がる元就は、どこに隠し持っていたのか采配を取り出して構えた。 佐助もその雰囲気を察して、すすっと間合いを取ってくないを構えた。 「ちょっと待て、佐助!」 真剣な顔をした幸村が二人の間に割って入る。 「なーに、真田の旦那、こっちは取り込み中なんだから!」 いつもの穏やかな彼女ではなく、物凄く剣呑な仕事の顔をしている佐助にくじけそうになるが、 ぷるぷると頭を振って勇気を振り絞る。 「せっかくの料理が冷めてしまうではないか、勿体無い!」 そう言った瞬間、幸村の腹が盛大な音を立てた。 すっかり毒気を抜かれた二人は、素直に得物をおさめて席に着いた。 「では、いっただっきまーっす!」 幸村の明るい声と共に、皆が箸を取る。 嫁と差し向かいに黙々と食べ続ける愛人の神経もどうかと思いつつ、 まったくマイペースな幸村の豪快な食べっぷりに、ただ感心するしかなかった。
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「すき、すきだよ、だいすき」 免罪符のように囁いて、佐助は、待ちきれないと言わんばかりに、その細腰を小十郎の摩羅の上に、落とした。 蜜の溢れ返る音を、小十郎は、聞いたような気がした。 「ぅ、ぐっ……!?」 「あぁあっ、はっ、あはは……こじゅうろ、さんだ……ッぁん、はぁ、あはははっ」 「……ッッ!!」 膣の空虚を熱の塊に満たされ、淫らな肉を猥らな肉に擦られ、佐助は喘ぎの合間ではしゃいだように笑った。 その姿は、傍目に正気の沙汰ではなかったが、小十郎は、そんな事を思う余裕すら奪われていた。 それは、一つの生き物のように、逃がすまいと絡みつき、切なげに締め付け、欲しい欲しいと貪欲に小十郎の雄を食んでいく。 抗する術は無い、小十郎はただただ底の知れない快楽の坩堝に呑まれて行く。 極楽のように甘美な地獄に引き擦り込まれていく。 「っさ……っく、ぁ……!」 呼ぼうとした名前は、意味の無い唸りに変わった。 そうしている内に、佐助のそこは小十郎を根元まで喰らってしまう。 隙間なく繋がっていることが嬉しいのか、佐助はふふ、と微笑んで、もっと近くにいたいのだとばかりに、 小十郎の首に両腕を、腰に真っ白な足を絡ませた。 小振りだが柔らかい乳房が、己の胸に押し付けられる感触に、小十郎は堪らず喉を鳴らした。 まずい、まずい、まずい。 佐助の体は、全く、『魔性』としか言いようが無かった。 今までとて、存分に味わってきたはずなのに、薬のもたらす作用なのか何なのか、 今の体は普段よりも格段に官能的で、甘い。 魅入られ、取り込まれれば最後、一滴残らず精を絞り尽くされてしまいそうな……いや、 男の方が注がずにはいられなくなるほど、の。 小十郎は歯を食いしばって、ぐっと目を閉じた。そうでもしなければ我を忘れてしまいそうだったのだ。 だが、そんな死に物狂いの努力を、鉄の理性を、佐助はいとも容易く突き崩した。 あやすように、固く閉じられた瞼へ、ちゅ、ちゅ、と何度も口付けを落として、 「ぁ、ふ……こじゅぅ……さん……」 とびきり甘く、耳元に囁く。 「おれ、……っこと、見て、……んっ、んァッ、ちゃん、と、……ッ、見て……?」 その言葉に誘われるまま、薄く目を開ければ、次いで噛み付くように口を吸われた。 何度も何度も何度も何度も、飽きることなく。 やがて満足したらしい、絡ませた舌を離して、佐助は恍惚の笑みを浮かべた。 それに、ずくりと腹の底から何かが駆け上がる。 松永久秀の恐るべき計画14